知的財産管理・先使用権 タイムスタンプによる先使用権確保

企業にとって特許出願は、特許権が取得できれば、絶対的な排他的独占権を取得でき、競争者の特許侵害に対して差止・損害賠償ができ非常にメリットがあります。しかしながら、特許出願には、高価なコストがかかります。また、特許権を取得できない場合もあります。
特許権が取得できなくても、1年半後には情報が公開されてしまうので、同業者なら二次利用可能な情報が公開されており、特許権取得前に模倣、利用されてしまう可能性もあります。

企業においては知的財産の多様化が進んでおり、特許化、秘匿化、公知化などを使い分けています。
特に中小企業の場合、他社の特許侵害の確認が難しい場合があり、自社技術を秘匿化し通常実施権を確保できる、先使用権の確保が重要になってきています。

先使用権を確保するために

知財を秘匿化し、先使用権を確保するためには
・他社の特許出願前に、発明の「完成」が必要
・実施・事業化またはその準備中であることが必要
※注 先使用権の有無・要件・効果は、各国毎に異なります。

先使用権の立証のためには、書類の日付が非常に重要です。
公証制度として確定日付がありますが、非常に手間がかかり、紙文書の長期保管による保管スペースの確保も必要です。

電子文書であれば、公的な時刻情報を付与する機能「タイムスタンプ」を使用することで、先使用権の立証が可能となります。

タイムスタンプ付与システム

知財では、単にタイムスタンプを付与するだけでなく、10年間毎にタイムスタンプの有効性延長ができ、特許権の有効期間20年以上のタイムスタンプ有効性を担保できる管理システムが必要です。
また、INPIT タイムスタンプ保管サービスを利用することで、タムスタンプの預入証明書の発行を受けられます。

※医薬品などの特許権は、最長で5年間の延長が認められることもあります。

タイムスタンプ付与システム

タイムスタンプ付与対象文書

先使用権の立証資料としては、下記書類が完備されている必要があります。

◎研究開発 研究ノート、研究日報、技術成果報告書、設計図など
◎発明完成 発明提案書、研究開発完了報告書など
◎事業準備 事業計画書、設計図、仕様書、見積書など
◎事業化  事業開始決定書、稟議書、納品書、受注書、作業日報、カタログ

INPIT タイムスタンプ保管サービス

■タイムスタンプ保管サービス
2017年3月27日より、INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)による、タイムスタンプ保管サービスが開始されました。
このサービスは、タイムスタンプトークンを、INPITが預かり、長期間安全にバックアップとして保管し、ユーザがそのタイムスタンプトークンを必要とした場合には、預入証明書とともにタイムスタンプトークンを提供するサービスです。本サービスを利用することで以下のメリットがあります。
(1)タイムスタンプトークンを公的機関で保管することによって、改ざんを防止し、長期間安定なバックアップが可能になる。
(2)国内外での係争時に、先使用権や営業秘密などの保有時点の証明に疑義が生じた場合、ユーザの立証負担を軽減することができる。   (INPIT HPより引用)

詳細はこちらを参照ください。

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